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コカ・コーラ – センサで実現するデジタル工場化

インダストリー4.0
バスシステム
IO-Link
アプリケーションレポート

IO-Linkセンサを使ったifmの予知保全

世界トップの飲料メーカーであるコカ・コーラは、西ヨーロッパ地域だけで50か所以上のボトリング工場を運営しています。コカ・コーラグループは、メンテナンスと設備故障に直ちにピンポイントで対処できるよう、すべてのボトリング工場でデジタル化を促進してデジタルツインの開発を進めています。これにより、製造工程をリアルタイムで監視し、介入が必要な場合は世界中のどこからでも、リモートで最適な調整をすぐに行うことができます。そのために必要な信頼性の高いセンサを、コカ・コーラは自動化を得意とするifmと緊密に連携して開発しています。

基幹工場の1つが、オーストリアのEdelstalにあります。「当社はコカ・コーラの認定ボトリング工場で、ほぼすべての製品をここでボトリングしています」と、Coca-Cola HBC Austriaの工場長であるChristian Kohlhofer氏は言います。この工場は、Coca-Colaグループ最大規模の工場の1つで、年間5億リットル以上の飲料を製造しています。

「私たちは、一層の自動化とデジタル化に取り組んでいます。この工場に導入した設備などのほとんどが、グループ内の他の工場で展開されます」と、Christian Kohlhofer氏は言います。

またこの工場は、非常時に製造拠点として稼働します。他の拠点で製造にボトルネックが発生した場合、オーストリアの工場が支援に入ります。

私たちは、一層の自動化とデジタル化に取り組んでいます。この工場に導入した設備などのほとんどが、グループ内の他の工場で展開されます。

Christian Kohlhofer氏 Coca-Cola HBC Austria 工場長

お客様の概要

Coca-Cola HBC Austriaは、1929年に設立されたボトリング工場で、オーストリア国内大手飲料メーカーとして革新的な製品ラインナップを展開しています。

私たちは、一層の自動化とデジタル化に取り組んでいます。この工場に導入した設備などのほとんどが、グループ内の他の工場で展開されます。

Christian Kohlhofer氏 Coca-Cola HBC Austria 工場長

お客様の概要

Coca-Cola HBC Austriaは、1929年に設立されたボトリング工場で、オーストリア国内大手飲料メーカーとして革新的な製品ラインナップを展開しています。

状態監視で計画外ダウンタイムを防止

世界中で展開しているコカ・コーラは、工場稼働の継続が最優先事項となります。「工場内の設備が1か所でも停止するとすぐに分かります」と、Kohlhofer氏は説明します。

この工場は、ジャストインタイムの生産体制で稼働し、過剰在庫を徹底的に排除しています。そのため、状態監視による予知保全が非常に重要です。従って、必要なタイミングでメンテナンスを直ちに実施できるように、機械や設備を常に監視しています。センサで収集したリアルタイムのデータを活用し、摩耗や損傷などメンテナンスの必要性が即座に判断できます。これにより、計画外のライン停止を防いでメンテナンスコストを節約し、設備の耐用寿命を延ばします。IO-LinkやIoT、機械学習などの最新技術を導入し、適切なタイミングで保全計画を策定できます。

「膨大な数のセンサを設置して、工場の稼働率を大幅に高めています」と、Kohlhofer氏はこう続けます。「メンテナンスを時間基準ではなく状態基準で実施しています。これにより、大幅なコスト節約を実現しています」

複雑な工程を監視するIO-Linkセンサ

デジタル工場化の検討で最初に採用されたのは、IO-Link機能を備えたセンサでした。このスマートセンサは、標準規格の双方向通信によりコントローラなどのシステムと通信します。従来のアナログ式センサと違い、単純なスイッチング信号以外に、さまざまなプロセスデータと診断情報を伝送できます。測定値をデジタル式で送信するため、アナログ信号の送信時のような変換ロスがなく、データが失われず正確に伝送されます。

センサの取付けと設定も簡単で、リアルタイムで高精度なデータを送信します。最小値・最大値や汚れの度合い、断線や短絡などの非周期診断データを収集できるため、メンテナンスを状態基準で最適化します。IO-Linkセンサにより、自動化を柔軟で効率的に推進できます。高い互換性により、既存の製造ラインにシームレスに導入でき、ITレベルにもデジタル通信で簡単に統合できます。

例えば、缶飲料の封入工程にはIO-Link振動センサが使われています。「缶の封入工程では、マイクロメートルの精度で品質が変わります」と、Coca-Cola HBC Austriaの保全担当マネージャーのGerhard Wieszmüllner氏は言います。「微小な振動のずれも検出できるifmのIO-Linkセンサを使った予知保全で、缶飲料を確実に封入できます」

ボトル洗浄システムのフラップバルブには、ifmのIO-Linkバルブセンサが設置されています。「フラップシールの破損の兆候を把握して、交換の必要性を早期に把握できるため、原材料を廃棄しなくて済みます」と、Gerhard Wieszmüllner氏は言います。「このため、アルカリ洗浄槽を排水する必要がなくなり、機械のダウンタイムの長期化を防ぎます。これにより時間とコストを節約できます」

微小な振動のずれも検出できるifmのIO-Linkセンサを使った予知保全で、缶飲料を確実に封入できます。

Gerhard Wieszmüllner氏 Coca-Cola HBC Austria 保全担当マネージャー
空のボトルとケースの搬送ライン

稼働中の製造ラインに計画外ダウンタイムが発生すると甚大なコスト損失をもたらす恐れがあります。

横に設置されたIO-Linkモジュールとケーブル

各センサの信号を分散型のIO-Linkモジュールに集約し、IT機器で詳細なデジタル情報を使ってさまざまな診断を行うことができます。

Yパスを使ったデジタルツインの運用

機械と部品の状態を正確に診断するために、センサが収集した設備のデータはすべて記録されます。センサの収集データは、Yパスの2つに分かれた伝送経路でリアルタイム送信されます。経路の1つは、設備を制御する従来機器のPLCに接続されています。同時に、2つ目のパスを介してITレベルにデジタルセンサデータが送られます。コカ・コーラでは、これを使って「ポケットファクトリー(Pocket Factory)」と呼ばれるITプラットフォームに膨大なセンサ信号を自動送信します。実際の工場を仮想空間に正確に反映したデジタルツインにより、リアルタイムのデータが常時更新されます。

コカ・コーラは、グローバル製造全体をセンサを使ってデジタル工場化しています。デジタルツインにifmのIO-Linkセンサのデータを活用し、設備のメンテナンスを状態基準で実施できます。機械学習と人工知能を使い、機械や部品の摩耗や製造ラインの障害などの異常兆候をすぐに予測することが可能です。

「このデータを使って、最適なタイミングでメンテナンスを実施して故障を予防し、製品品質を確保することができます」と、Wieszmüllner氏は言います。これにより、計画外のライン停止を防ぎながらコストを最小限に抑え、高水準の品質を確保できます。

コカ・コーラのデジタル工場化は、持続可能性の面からも重要です。デジタル技術の導入により、グループ全体でエコロジカルフットプリントの削減に成功しています。例えば、製造工程を高い精度で監視・制御することにより、水やエネルギーなどの資源の有効利用が実現します。デジタル工場化により、環境への配慮とコスト削減も実現しています。

サイバーセキュリティ要件への適合

コカ・コーラのような工場にとって、サイバーセキュリティは企業機密データの保護だけでなく、不正アクセスや不正操作から重要製造工程を守る中央機能としての大切な役割があります。インダストリー4.0による機械やシステムのネットワーク化の拡大に伴い、インフラへのサイバー攻撃リスクが増加しています。

攻撃を受けた場合、製造ラインが停止するだけでなく財政的な損失や信用失墜など甚大な被害をもたらします。また、生産管理や業務効率化のためのシステムを工場に導入して、重要工程の製造データを処理している所も多くあります。このようなデータを保護して企業秘密を守り、安全で安定した工場稼働が可能になります。コカ・コーラの工場のように管理が行き届いた環境では、工場の安全な稼働と一貫した製造品質を確保するため、センサなどすべての構成機器が厳しいサイバーセキュリティ要件に適合しなければなりません。

「ifmは、当社のサイバーセキュリティチームと協力してすべての規定に適合するようにしました」と、工場長のChristian Kohlhofer氏は言います。「サイバーセキュリティガイドラインすべてに従い、データを保管・処理・分析しています」

ifmとの緊密な連携

コカ・コーラは、オーストリア国内工場の自動化パートナーとして、ifmと長年にわたり緊密に連携してきました。工場長のChristian Kohlhofer氏は、このパートナーシップを高く評価します。:「ifmは、『Close to you』をスローガンに掲げています。これは、当社のバリューである『We over I』(個よりも全体を)に通じるものです。私たちは素晴らしい連携を築き、素早い問題解決に努めます」と、Kohlhofer氏は言います。「ifmは、必要とするサポートをいつでも提供し、問題が発生した時も迅速に対応してくれます」

ifmは、『Close to you』をスローガンに掲げています。これは、当社のバリューである『We over I』(個よりも全体を)に通じるものです。私たちは素晴らしい連携を築き、素早い問題解決に努めます。ifmは、必要とするサポートをいつでも提供し、問題が発生した時も迅速に対応してくれます。

Christian Kohlhofer氏 Coca-Cola HBC Austria 工場長
さまざまなグラフと工場のライブ映像が表示されたノートPCを見る男性

見える化の向上:IO-Linkセンサを使ったデジタル工場化で、世界中からデジタルツインにアクセスできます。異常は直ちに検出されます。

結論

コカ・コーラは、グループの未来に向けて現在もデジタル化と自動化の推進に取り組んでいます。最先端技術の導入とifmのようなパートナーとの緊密な連携により、コカ・コーラは業務効率と製造の最適化を実現し、製品品質を確保しています。またデジタル化は、持続可能性の向上と環境負担の軽減にも貢献しています。イノベーションと継続的な改善に取り組むことは、コカ・コーラとifmの理想的なパートナーシップが将来の成功につながることを示しています。

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