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IO-Linkの動向

IO-Linkは、センサ・アクチュエータ・制御機器の大手メーカー数社によって開発され、革新的な技術を一層充実させることを目指す取組みが継続的に行われています。産業界のフィールドネットワークとして、持続的な普及拡大に向けた焦点となるのは次の分野です。

IO-Linkのプロファイル

メーカー・フィールドバスに依存しない国際的な通信規格:IO-Link技術は需要と期待が一層高まっており、今後は小規模で高度なカスタマイズアプリケーションへの標準化が見込まれます。各メーカーは、IO-Linkを柔軟で安全なスマート製造の基幹技術として標準規格化する取組みを進めています。

さまざまなIO-Linkプロファイルを確立し、エンドユーザーやシステムインテグレーター、機器メーカーの全員にメリットをもたらすことを目指します。そのため、フィールドネットワークのセンサやアクチュエータの制御・診断情報が含まれるデバイス記述ファイル(IODD)を、すべての参加者でレベルを統一します。

これらは3つに分類されます。:

  • メーカー固有のIODDによる独自タイプ
  • 共通化されたIODDによるスマートデバイスプロファイル
  • 特定用途のコミュニティIODDによるアプリケーションプロファイル

こうして仕様を統一することにより、各IO-Linkデバイスはアプリケーション特有のさまざまな要求を満たすことができます。これにより、ユーザーの導入計画の確実性が向上し、統合作業における負担が大幅に削減されます。IO-Linkコンソーシアムは、アプリケーションプロファイル(AP)のロードマップを公表しています。これによると、今後数年間で追加のスマートデバイスプロファイル(SDP)と最初のアプリケーションプロファイルが公開される予定です。

IO-Link Safety

IO-Linkは、センサ・アクチュエータの通信システムとして長年普及してきました。IO-Link Safetyは、省配線や従来型アナログ入力カードの省略、アナログ測定値の状態監視での利用といったIO-Linkのメリットをセーフティ分野で活用するために開発された技術です。

要求事項

  • 5芯M12コネクタと共通ソフトウェアツールによるメーカー間共通のデバイス仕様
  • 各種信号を出力する複数のデバイスを1点に集中接続するFSマスタ
  • OSSDなどの既存規格との互換性
  • ポート起動時の保存パラメータ・真正性・I/Oデータ構造の自動検証
  • 自己診断の継続時間に基づくFSマスタとFSデバイスのタイミング
  • 故障したFSデバイスの交換時のパラメータ自動伝送

デバイスはIO-Link Safety用マスタ(FSマスタ)に接続します。各メーカーのデバイスを、共通仕様のセンサ/アクチュエータのインターフェース(M12/5芯)により簡単に統合することが可能です。将来的には、デバイス導入時に統合用に使うゲートウェイの数を減少させるための汎用ソフトウェアツールの使用を予定しています。コンパクトなFSマスタの使用により、大量の診断用カード(アナログ入力カード)が不要になります。このため配線が削減され簡単にアナログ値を処理できます。各FSCPドメインを介してFS PLCと通信します。

互換モードでは、2つの独立した安全制御出力(OSSD)を従来通り使用できます。2つのモードは切替可能です。したがって、センサの設定をIO-Linkで簡単行ってOSSDモードで動作させることができ、機能安全に関わるイベントを高い信頼性で通知します。

起動直後の安全な動作を確保するため、ポート起動時にFSマスタがFSデバイスに保存されたパラメータ・FSCP・ポート番号・I/Oデータ構造の自動検証を指示します。IO-Linkは、この自己診断の継続時間に基づいてFSマスタが待機状態になるのを遅延させ、これに伴いFSデバイスの待機状態の遅延を補正します。

ifmのセーフティ対応IO-Link製品

ifmのセーフティ入出力モジュールAL200Sは、IO-Link対応の初の安全機能製品です。IOモジュールAL200Sは、PROFIsafeの安全通信用入出力ポートを備えています。セーフティメカニカルリレーと安全制御出力機器(OSSD)に接続可能です。

IO-Link Wireless

IO-Linkが普及した要因の1つが、標準センサケーブルによりスマートセンサとアクチュエータを簡単に接続できる配線方式です。利用者が増加するデータ交換方式としては、省配線に対する需要は今後はそれほど高くなくなることが想定されます。IO-Link・5G・Wi-Fi 6などの移動通信規格は、自動化分野でリアルタイムのM2M通信(車両や機械同士の通信)を行うための基盤となります。ifmが共同開発に参加したIO-Linkの技術は、信号変換時の損失がなくコントローラやフィールドバスに依存せず、さまざまなプロセス値にリモートからアクセスし診断や状態監視を行うことができます。

今日では、IO-Linkはワイヤレスにも対応しています。これにより、設置時の作業負担が最小限に抑えられます。リアルタイム通信により、高速応答が保証されプロセス値の変化を直ちに検出します。故障した機器も、複雑な配線作業をせずにすぐ交換できるため、長時間の生産停止を防止します。さらに、一般的にケーブル摩耗が早いAGVやロボットなどの用途でダウンタイムが排除されます。

アプリケーション

  • ロボット・ドローン・AGVなどのプロセス自動化(最大伝送速度と短距離で高稼働率)
  • 廃棄物収集車の収集レベルに応じたスマートルート効率化などの即時性が要求されない監視(利用者数が多い低容量データ・低電力消費、長距離のエネルギー効率化などの用途)
  • 物体に応じたパラメータ調整など、プロセスデータの診断・パラメータ設定・表示(利用者数が少ない大容量データ、中程度の伝送速度で短距離~中距離の通信)

標準ケーブル接続方式よりもマスタ当たりのIO-Linkデバイス接続数が最大で5倍、サイクルタイム5ms以下が目標です。実際には、1台のマスタに最大40台のデバイスを無線通信で接続できることになります。例えば、1つの無線通信エリア内に3台のマスタがある場合、最大120台のデバイスとの同時通信が可能になります。周期データ(プロセスデータ)と非周期データ(リクエストデータ)の両方の伝送が可能です。デバイスとマスタ間の通信距離は最大20mです。

Ifmのワイヤレス対応IO-Link

ifmのio-keyBluetoothアダプタは、これに対応する初の製品です。このため、GSMモバイル通信ネットワークやBluetooth経由でプロセス値にアクセスする無線通信アプリケーションはすでに対応可能です。無線技術は、利用者数が多くバーチャル空間でリアルタイムの相互通信を行う自動化分野など、プロセスに即時性が求められるアプリケーションで特に重要になります。ifmは、このファクトリーオートメーション分野において、50年以上にわたる豊富な実績があります。