You probably do not come from: Japan. If necessary, change to: United States

工作機械の圧縮空気監視による省エネ効果

機械工学
工作機械
効率化
エネルギー
Monitoring and maintenance
状態監視
ユースケース

圧縮空気のコスト管理

工作機械を使う製造工程は、常に圧縮空気の供給が必要です。センサ製造では、最終製品の製造に必要なさまざまな機器を社内で製作しています。この工程の大部分が工作機械で行われます。

工作機械を使う製造の多くの工程で圧縮空気が必要になります。

  • 空洞の加圧封止(シーリングエア)
  • ツールの段取り替え
  • 段取り替え前後に行うツール清掃のエアパージ
  • 工作機械の切粉を除去するために行われるエアパージ
  • クーラント液と接触してはならない繊細なプラスチック部品の冷却

圧縮空気の製造は、製造業のコストを押し上げる大きな要因の1つとなっています。このため、省エネ対策に大きな改善をもたらす可能性があります。

初期状態

計器からは圧縮空気の使用量やコストが読み取れない

一般的な工作機械には、さまざまな動作状態を示す表示器があります。しかし、コストに影響する圧縮空気の消費量のプロセスデータは監視されていません。
そのため、エネルギー管理と省エネ効果が評価できません。

  • 機械の状態による圧縮空気のコストとは?
  • コストやエネルギーの節約が出来るか?

データベースを見なければ、こうした問題を解決することは出来ません。

プロジェクトの目的

省エネ効果が見える圧縮空気のコスト評価

  • 工作機械の消費エネルギー効率化
  • 省エネ対策の評価と実施計画のための圧縮空気のコスト計算
  • エア漏れによる待機運転コストのムダの把握と見える化
  • グリーンファクトリー実現に向けた省エネと運用コスト削減

実装

moneo RTMを使った圧縮空気の監視

moneo RTMは中央サーバにインストールします。

ifmはオートメーション製品を幅広く提供しています。このアプリケーションでは、圧縮空気フローメータSD6500を工作機械の圧縮空気のエア供給ラインとコンプレッサのエアブロワ上流に取り付けました。

センサデータは シリーズのIO-Linkマスタ(AL1350)を経由して、moneoRTMに伝送されます。IO-Linkマスタは社内VLAN経由でサーバに接続されます。

データ監視・しきい値の制御・計算をmoneo RTMで行います。

その結果、

moneo RTMにより省エネの可能性を見える化します。

圧縮空気のコスト計算の基礎となる流量データ収集・表示・値の補正をmoneo RTMで行います。

これらのデータは、省エネ対策に特化した体系的な評価に利用することができます。これにより、待機運転時の電力コストのムダを可視化し、圧縮空気を有効に利用する工作機械の稼働効率化が可能になりました。

こうして、グリーン・ファクトリーの実現に向けたエネルギーと運用コストの削減に成功しました。

システム構成

  1. SD6500圧縮空気フローメータを工作機械のエア供給ラインに設置
  2. SD6500圧縮空気フローメータをエアブロワのエア供給ラインに設置
  3. AL1350 IO-Linkマスタ

  1. SD6500圧縮空気フローメータを工作機械のエア供給ラインに設置
  2. SD6500圧縮空気フローメータをエアブロワのエア供給ラインに設置
  3. AL1350 IO-Linkマスタ

ダッシュボード

moneoのダッシュボードは次のようになっています。実際の工場に紐づいたプロセス値がダッシュボードに表示されます。

  1. 圧縮空気の現在流量 - 流量(CDS)**(m³/h)*
  2. 現在の圧力(bar)
  3. 圧縮空気の総使用量 - 積算流量(CDS)**(m³)*
  4. 現在の圧縮空気のコスト(CDS)**(€/h)*
  5. 圧縮空気の総コスト(CDS)**(€)*
  6. 機械の状態「稼働」(CDS)**(On/Off)
  7. 機械の状態「待機」(CDS)**(On/Off)
  8. 機械の状態「停止」(CDS)**(On/Off)

「圧縮空気」のダッシュボードでは、工場の圧縮空気に紐づくプロセス値をすべて一目で確認できます。

  1. 機械 - 現在の圧縮空気の使用量(m³/h)
  2. 機械 - 現在の圧力(bar)
  3. 現在の圧縮空気の温度(℃)
  4. 機械 - 圧縮空気の使用量(m³)*
  5. 機械 - 圧縮空気のコスト(€)*
  6. エアブロワ - 現在の圧縮空気の使用量(m³/h)
  7. エアブロワ - 現在の圧力(bar)
  8. エアブロワ - 現在の圧縮空気の温度(℃)
  9. エアブロワ - 圧縮空気の使用量(m³)*
  10. エアブロワ - 圧縮空気のコスト(CDS)**(€)*
  11. 圧縮空気の現在の総流量 -流量(CDS)**(m³/h)*
  12. 圧縮空気の総消費量 - 積算流量(CDS)**(m³)*
  13. 現在の圧縮空気のコスト(CDS)**(€/h)*
  14. 圧縮空気の総コスト(CDS)**(€)*

「機械の状態」のダッシュボードでは、機械の現在の動作状態と稼働時間が確認できます。

  1. 機械の状態「稼働」(CDS)**(On/Off)
  2. 機械の状態「待機」(CDS)**(On/Off)
  3. 機械の状態「停止」(CDS)**(On/Off)
  4. 稼働時間(CDS)**(h)*
  5. 待機時間(CDS)**(h)*
  6. 停止時間(CDS)**(h)*

「プロセス最適化」のダッシュボードでは、機械のエネルギー使用量が確認できます。収集したデータを利用して、エネルギー使用の最適化が実現します。

  1. 圧縮空気の合計コスト(CDS)**(€)*
  2. 機械の圧縮空気のコスト(CDS)**(€)*
  3. 機械待機時の圧縮空気のコスト(CDS)**(€)*

* カウント開始はセンサで設定します。センサ本体またはmoneo configureでリセット操作を行います。
** 注: 1回リセットすると、その時点の計算値もすべてリセットされるためご注意ください。CDS(Calculated Data Source)はmoneo Dataflow Modelerで処理した計算値です。

分析

分析機能により詳細が確認できます。下のグラフ(スクリーンショット)は、圧縮空気の流量値から工作機械の稼働状態が簡単に把握できることを表しています。

  1. 機械の状態「停止」(0m³/h)***
  2. 機械の状態「待機」(約19m³/h)***
  3. 機械の状態「稼働」(>20m³/h)***

*** アプリケーション別に設定

設定とルール:しきい値の管理

タスクとチケット

規定のリミット値の超過・低下時は対応するプロセス値のチケットを発行します。赤信号の表示と警告のポップアップメッセージにより圧力のしきい値から外れていることを示します。

担当作業者にチケットが発行され、処理が行われます。コメント機能では、対応した実施内容をすぐに書き込んで文章に残すことができます。次のような通知方法があります。

計算値

moneoでは、センサのプロセス値を計算してより多くの情報を得ることができます。Dataflow Modelerの機能を使い、センサからのデータソースをデータフローモデル内で組み合わせたり補正したりして計算し、処理をカスタマイズして実行することができます。

圧縮空気の総使用量の計算:

  1. 工作機械上流(1次側)に設置されたSD6500圧縮空気フローメータの積算流量(m³)
  2. エアブロワ上流(1次側)に設置されたSD6500圧縮空気フローメータの積算流量(m³)
  3. 加算ファンクションブロック - 圧縮空気の総使用量計算
  4. 結果 - 総使用量(m³)

工作機械の圧縮空気コストの計算:

  1. 工作機械の上流(1次側)に設置されたSD6500圧縮空気フローメータの積算流量(m³)
  2. 圧縮空気1m³あたりのエネルギー価格 アプリケーション別に決定(€/cent)
  3. セントからユーロへの換算定数「100」
  4. 除算ファンクションブロック - セントからユーロへの換算
  5. 乗算ファンクションブロック - エネルギーコストの計算
  6. 四捨五入ファンクションブロック - エネルギーコストを小数第2位に四捨五入
  7. 結果 - 工作機械の圧縮空気のコスト(€)

「稼働」と判断された工作機械の状態:

  1. SD6500圧縮空気フローメータの流量値(m³/h)
  2. 機械の状態を「稼働」と判断する定数「20」 - アプリケーション別に決定(m³/h)
  3. 比較ファンクションブロック - AがBより大きい場合は真(true)を出力
  4. Boolean値からDouble値への変換ファンクションブロック - 論理値を数値に変換: true = 1 / false = 0
  5. 結果 - 工作機械の状態 = 稼働(true = 1 / false = 0)

「停止」と判断された工作機械の状態:

  1. SD6500圧縮空気フローメータの流量値(m³/h)
  2. 機械の状態を「停止」と判断する定数「1」 -アプリケーション別に決定(m³/h)
  3. 比較ファンクションブロック - AがBより小さい場合は真(true)を出力
  4. Boolean値からDouble値への変換ファンクションブロック -論理値を数値に変換:true = 1 / false = 0
  5. 結果 - 工作機械の状態 = 停止(true = 1 / false = 0)

「待機」と判断された工作機械の状態:

  1. SD6500圧縮空気フローメータの流量値(m³/h)
  2. 機械の状態を「停止」と判断する定数「1」 -アプリケーション別に決定(m³/h)
  3. 機械の状態を「稼働」と判断する定数「20」 -アプリケーション別に決定(m³/h)
  4. 比較ファンクションブロック - AがBより大きい場合は真(true)を出力
  5. 比較ファンクションブロック - AがBより小さい場合は真(true)を出力
  6. 論理和ファンクションブロック - AとBがtrueの場合は真(true)を出力
  7. Boolean値からDouble値への変換ファンクションブロック -論理値を数値に変換:true = 1 / false = 0
  8. 結果 - 工作機械の状態 = 停止(true = 1 / false = 0)

工作機械の製造時間の計算:

  1. 機械の状態を「稼働」(true = 1 / false = 0)と計算
  2. Double値からBoolean値への変換ファンクションブロック - 数値を論理値に変換(1 = true / 0 = false)
  3. 時間カウンタファンクションブロック - トリガ入力1 = trueと同時にカウント開始
  4. 四捨五入ファンクションブロック - カウンタの値を小数第2位に四捨五入
  5. 結果 - 工作機械の状態が「稼働」となっている時間(h)

待機時のエネルギーコストの計算:

  1. 工作機械の待機時間の計算(h)
  2. 機械の待機時の平均エネルギー使用量の定数「19」 - アプリケーション別に決定(m³/h)
  3. 圧縮空気1m³あたりのエネルギー価格 - アプリケーション別に決定(€/cent)
  4. セントからユーロへの換算定数「100」
  5. 除算ファンクションブロック - セントからユーロへの換算
  6. 乗算ファンクションブロック - 待機時の平均エネルギーコストの計算
  7. 乗算ファンクションブロック - エネルギーコストの計算
  8. 四捨五入ファンクションブロック - エネルギーコストを小数第2位に四捨五入
  9. 結果 - 工作機械の待機時の圧縮空気コスト(€)