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デモ装置のローラチェーン監視

ユースケース

現在、ifmはチェーンセンサを必要とするアプリケーションがありません。moneo RTMがチェーンセンサと連携したローラチェーンの状態監視が可能であることを実証するため、ドライブチェーン用のデモ装置を用意してmoneoシステムに接続し、作動させました。

プロジェクトの目的

ローラチェーンの状態を常時監視

デモ装置を使って状態監視を行い、ローラチェーンの動作状態を決定する特性値を調べます。プロセスデータを表示してしきい値を監視します。実際に稼動する時間の経過とともに摩耗が進行するレベルを診断します。

実装

チェーンセンサ(IWIS社製CCM-S-10B)をメーカー仕様に従いローラチェーンに取付け、その後IO- Linkマスタと接続しました。ifm側であらかじめmoneo RTMを中央サーバにインストールし、IO-Linkマスタをカプセル化設定したVLANサーバと接続します。

チェーンセンサのIODDのインストールが完了すると、moneoにチェーンセンサが取り込まれます。

チェーンセンサは、プロセス値の他にローラチェーンの状態監視に必要なパラメータ値を収集します。これらのパラメータ値は、moneo configureを操作して読み取ることができます。幅広く使えるスマートなデータ通信インターフェースifm Agentを使用すると、パラメータ値を自動的に読み取ることが出来ます。ifm Agentは、HTTPプロトコルでセンサのパラメータデータを常時読み出し、変換してmoneo RTMへ伝送します。

その結果、

チェーンセンサにmoneo RTMを連携させて使うことにより、次のようなメリットが得られます。

  • 動作状態を決定するプロセス変数(ローラーチェーンの伸長・加速度・温度)を表示
  • 計算値から実際に稼働中のチェーンの長さが求められる
  • データ分析によるトレンド検出
  • 警告・アラームレベルのしきい値監視
  • チェーンの常時状態監視
  • メンテナンス体制
  • 大規模な工場や機械のダウンタイムを防止
  • 製造ダウンタイムによる経済的な損失を防止
  • メンテナンスを最適化し稼動時間を延ばせる
  • ローラチェーンの状態に応じたアプリケーションの最適化

システム構成

  1. チェーンセンサ
  2. IO-Linkマスタ

ダッシュボード

moneoのダッシュボードの概要は次の通りです。ダッシュボードにチェーンセンサのプロセス値が表示されます。実際のチェーンの状態が一目で確認できます。

  1. チェーン全体の長さとリンク単体の最大長の比較
  2. チェーンリンクの位置と最大長
  3. ローラチェーンの稼動時間
  4. チェーンの全長
  5. 起動時からセンサを通過したチェーンリンクの数
  6. ローラチェーンの現在速度
  7. ローラチェーンの平均加速度 および現在温度

分析

分析の画面から履歴データの記録にアクセスできます。この例ではチェーンの全長とリンク1個の最大長を比較しています。

  • 緑 = チェーンの全長(%)
  • 青 =リンク単体の最大長(%)

設定とルール:しきい値の管理

静的しきい値

プロセス値が上限値や下限値から逸脱した場合に、静的しきい値を定義して自動で警告とアラームを行うよう設定できます。この例では対応する値に対してしきい値を設定します。

警告・アラームの応答時間に遅延設定を行います。

チケット処理ルール

この機能により、次のような警告やアラームの後に行う処理を簡単に設定できます。

計算値

計算値を使用して追加のプロセス値を生成できます。

ローラチェーンの全長(mm)

ローラチェーンの長さの理論値は、リンクの個数とピッチによって決まります。ローラチェーンの実際の全長(mm)はチェーンの長さに100%を加え乗算して求められます。

全長 = ピッチ×リンク×(チェーン長さ + 100)

ローラチェーンの伸長(mm)

ローラチェーンの長さの理論値は、リンクの個数とリンクのピッチによって決まります。ローラチェーンの実際の伸長(mm)はチェーンの長さを乗算して求められます。

伸長 = ピッチ×リンク×チェーンの長さ