Lentner – 消防車のデジタル化
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概要 Lentnerは、ミュンヘン近郊ホーエンリンデンに拠点を置く消防車両専門メーカーで、年間最大150台の消防車・特装車両をカスタム製造しています。同社は、20年にわたりifmの自動化技術を継続して採用しています。その背景には、急速に進む車のスマート化・デジタル化があります。同社の消防車には、多様なセンサによるポンプ圧・キャビテーションの兆候・タンク水量・泡原液の混合比率などのデータを測定して車両を制御し、シャッターやステップなどの資機材収納の状態を監視し安全性を高める自動化技術が導入されています。消防車の操作パネルには、直感的なボタン操作が可能な耐久性の高い7インチHMIディスプレイを採用し、現場で車両を迅速かつ確実に操作できます。Lentnerは、過酷な消火活動における高い信頼性と堅牢性を確保するため、コンパクトで耐久性に優れたifmの自動化・デジタル化ソリューションを採用しています。 |
デジタル化で実現する次世代のスマート消防車
ifmの堅牢なセンサによるLentnerの消防車のデジタル化
伸縮式高所作業車、空港消防車両、多機能工作車や補助消防車などを開発・製造するLentnerは、ミュンヘン近郊ホーエンリンデンに拠点を置く、ファミリー経営の消防車両専門メーカーです。このような特装車に採用されるデジタル技術は、車両と同様に過酷な消火活動現場においても信頼性を発揮する、特殊用途向けの耐久性が求められます。Lentnerは、このような理由から、消防車や特殊車両に対応するifmソリューションを長年採用しています。
高い品質を実現するカスタム消防車
Lentnerが出荷する消防車両は、年間最大150台に及びます。「7.5トン車級から大型の空港消防車両まで、幅広い車種の消防車・特装車両を扱っています。つまり、消防活動に必要なあらゆる車両を製造しています」と、最高執行責任者のMathias Hausmann氏は言います。そして、同一車種を製造することはありません。「当社の製品は量産車ではなく、お客さまの需要とニーズに合わせて一台一台をカスタム製造する消防車です。実用性を最優先しながら最高品質を追求する方針は、すべての消防車両に共通しています。なぜなら、出動車両の性能は消防活動に大きく影響する重要な要素となります」
写真1:多様なセンサを搭載した最新の消防車。車両のデジタル化・自動化を実現しています。
写真2:伸縮式高所作業車から多機能工作車まで、消防車はさまざまな災害対応ニーズに応じて開発されます。
パートナーシップの重要性
ifmは、消防車の自動化・制御ソリューションにおける自動化のパートナーとして、約20年にわたりLentnerを支援しています。「ifmとは、2008年の車載CAN通信バスシステムを起点に、共同開発を実施しています」と、Hausmann氏は回想します。「それ以来、現在もifmとの協業は継続しています」その背景を次のように説明します。「急速に進む車のスマート化・デジタル化により、車載センサ数も増加の一途を辿っています。そのため、信頼できる自動化分野のパートナーの存在が重要になります。現在では、ifmは当社の消防車両開発において欠かせない中核サプライヤーの1社となっています」車載センサの増加に伴い、車のスマート化・デジタル化はますます進んでいます。その進化の方向も明確です。消防車や救助車両は、作業性能や装備だけではなく、センサで測定した車両の情報をどの程度提供し活用できるかによって、評価されるようになっています。「当社では近年、車両のスマート化を実現する高度なデジタル化に一層重点を置いています。現在では、プロセス全体がデジタル制御されています。運転担当者が、ポンプ圧・泡原液の混合比率・タンクの水の残量といった車両データ(センサ情報)を正確に把握することにより、消火活動現場の状況変化に即応した支援を、最適なタイミングで行うことができます」と、Lentnerでスマート化事業を担当するJulian Bauer氏は氏は言います。
触感的な操作で消火活動時の確実な操作性を確保
その一例がポンプ診断機能を内蔵する圧力センサPIMで、圧力計測に加え、キャビテーションの発生兆候(ポンプの異常予兆)を検出することが可能です。「長時間にわたる重度のキャビテーションにより、消防ポンプが損傷し故障することがあるため、発生を防がなければなりません」と、Bauer氏は言います。運転者は、7インチのHMIディスプレイCR1081(消防車操作パネル)の画面上で必要な情報を確認・設定でき、ポンプをはじめとする車両機能を制御します。操作はタッチスクリーン式ではなく、ロッカースイッチ式の6個のボタンで行われることには理由があります。「車両操作では、明確で直感的に扱えることが非常に重要です。ifmのHMIディスプレイは、触感的なボタン操作とシンプルな構成の設定メニューにより、消火活動の際の直感的な応答性を実現します」
写真3:消防車の開発では最新自動化技術の導入が進んでいます。
写真4:圧力センサ(写真奥)が圧力とキャビテーションの情報を収集し、制御ユニット(写真手前)へ伝送することで、消防ポンプの状態を監視する自動化制御を実現します。
写真5:中央の操作パネル(HMI)に車両の制御機能を集約し、消防ポンプなどを迅速かつ確実に操作できます。
消防車のすべての機能を、ポンプ装置ユニットと運転席の両方から制御・監視できます。泡混合装置を装備した消防車では、ポンプ装置ユニット専用の操作パネルに水と泡原液の混合比率が表示されます。
ポンプ装置ユニット以外の装備も、すべてデジタル制御されます。シャッター・ステップ・はしごなどのアクセスハッチの位置もセンサで監視され、その状態はHMIディスプレイ(消防車操作パネル)に表示されます。さらに、警光灯・サイレン・車幅灯・動作灯も、HMIディスプレイと制御ユニットが連携して作動します。「これにより、出動前に資機材収納がすべて閉じ、ステップが格納されているか一目で確認できます。確認作業の省力化により、車両や装備品の損傷も防止でき、安全性向上にもつながります」
省スペースで堅牢な自動化技術
消防車は車内空間を最大限活用して、センサやデータインフラ機器の収納も可能な限り省スペース化する必要があります。そのため、小型の近接センサISシリーズや、Cスロット対応のシリンダセンサMKシリーズを採用しています。I/Oモジュールで収集した車両データ(センサ情報)は、車載CAN通信により制御ユニットで処理され、消防車操作パネルのHMIディスプレイに伝送・表示されます。「すべての電子機器に高い耐久性が求められます」と、Bauer氏は言います。「消防車は、過酷な消火現場に出動するため、構成部品のすべてに長期耐久性が必要です。ifmの製品は、その点において導入当初から一貫して高い評価を得ています」さらに、Julian Bauer氏は、ifmを自動化分野の専門パートナーとしても高く評価しています。「緊密な協業により、非常に良好なパートナー関係を築いています。サポートが手厚いだけでなく、消防車のデジタル化・自動化の新規ソリューション開発を行う際にも、当社の消防分野における知見が反映されます。これこそが真のパートナーシップであると考えています」
結論
自動化分野のスペシャリストであるifmは、建機・特装車デジタル化ソリューションにより、センサとデータインフラに関するLentnerの要望を実現しています。堅牢性・耐久性・信頼性に優れたセンサと自動化製品を通じて、ifmは世界中のLentnerブランドの消防車両の品質向上に貢献しています。