Kollmorgen - 3Dカメラによるパレット認識システム
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概要 Kollmorgenとifmは、パレット荷役の柔軟性を高める物流車両向けソリューションを共同開発しました。3Dカメラによるパレット認識技術と、リアルタイムで経路を補正するダイナミック・ロード・ドッキング技術が融合し、AGVは配置位置や角度に関係なく、高精度なパレット荷役を行うことができます。これにより、自動搬送車両の信頼性が向上し、変化の多い物流倉庫内の環境においても安定した運用が実現します。 |
パレットハンドリングの柔軟性向上
KollmorgenとifmによるAGVとAMRの高度化
Kollmorgen(コルモーゲン)は、駆動部品と自動化ソリューションを提供するグローバル企業です。
スウェーデンのヨーテボリ近郊メルンダルには、同社の物流向けの移動ロボットと物流車両のイノベーション・開発センターがあります。同センターでは、無人搬送車(AGV)と自律走行ロボット(AMR)の主要メーカー向けに、総合自動化プラットフォームの開発を行っています。車載ソフトウェア・ハードウェアからセットアップツール、車両管理システムまで幅広い分野をカバーし、倉庫物流の安全で効率的な運用を支えています。
Kollmorgenは、センサ技術を専門とするifmと協業し、物流向けのカメラソリューションを共同開発しています。同社のテストセンター内に、動的に変化する実際の物流現場を再現した理想的な実証環境を作り、新機能の検証と最適化を継続的に実施しています。
課題:人間とロボットの混在環境に求められる高い精度
現在、多くの物流現場ではAGVやAMRと有人作業を組み合わせた運用が一般的です。人がパレットを配置し、その後車両が回収・搬送する運用では、パレット位置の配置精度が生産性に直結します。従来の硬直的なシステムでは、決められたエリア内にパレットを正確に置く必要があり、わずかにずれてもダウンタイムが発生し、手作業で修正しなければなりません。 「車両の運用では高い精度が求められますが、有人作業は常に同じ状態になるとは限りません」と、Kollmorgen AMSのアプリケーションエンジニアであるJohan Loebbert氏は、従来システムの課題を指摘します。
トラックの荷受けエリアから一時保管エリアの積み替えの間には、最適な駐車スペースがすでに使用されている、床のマーキングが摩耗している、角度や幅が揃っていないなど、当たり前の問題が数多く発生します。 こうした要因が重なり、物流フロー全体の遅延につながります。さらに近年では、プロセスの信頼性を維持したまま、異なる車種も含めて一元的に拡張可能なフリート運用がしたいというニーズも高まっています。Kollmorgenは、有人作業への柔軟な対応と車両の高精度を両立し、トラブルを未然に防ぎながら、既存の車両構成にも容易に統合できるソリューションを求めていました。
解決策:ifmのカメラとPDSアプリケーションに融合したダイナミック・ロード・ドッキング
その課題を解決するのが、Kollmorgenのダイナミック・ロード・ドッキング技術と、ifmのPDS(パレット検出システム)の機能が融合したカメラシステムです。ダイナミック・ロード・ドッキングは主にAGVに搭載され、位置がずれたパレットを正確に認識し、走行中もリアルタイムで経路を補正しながら、高精度かつ効率的に荷役を行う技術です。
その中核を担うのが、カメラ視野内にあるパレットの位置・向き・寸法を検出するアプリケーションです。「これは、PDS機能を搭載したifmの3Dカメラシステムと、当社のダイナミック・ロード・ドッキングのソリューションを統合した技術です」と、Johan Loebbert氏は説明します。「荷受けエリアで、向きや角度を気にせずおおよその位置に人がパレットを配置しても問題ありません。AGVが取得した3D画像から正確な位置を特定し、パレットを安全にピックアップするための最適な走行経路を自動生成します」
技術の融合により得られる付加価値も明確です。カメラを取り付け、車両のCPUとコントローラに接続し、簡易なキャリブレーションで微調整するだけで実装が完了するため、プラグ&プレイに近い感覚で導入できます。このプロジェクトは、Kollmorgenとifmの共同開発として進められました。「ifmとは、非常に密接で建設的な素晴らしい協業が実現できました。ifmが開発したPDSソリューションを、当社のダイナミック・ロード・ドッキングで検証し、継続的なフィードバックを通じて、機能をさらに強化していきました」と、Johan Loebbert氏は言います。両社は市場投入後も緊密な連携を維持し、グローバルでの品質保証とサポート体制を継続しています。
写真1:ダイナミック・ロード・ドッキングにより、走行系と昇降系が連携し、高効率なパレット荷役を実現します。
写真2:システムの「電子の目」となる、ToF技術を採用したifmのPMDカメラ。車両前方のパレットを高精度に検出します。
写真3:ヨーテボリ近郊のKollmorgenのテストセンターで、さまざまなAGV/AMRを用いて自動化プラットフォームの検証と最適化を行っています。
ifmのカメラプラットフォーム
多様なアプリケーションに対応するカメラ認識プラットフォームO3Rは、AGVにおける信頼性の高いパレット検出を支える中核技術です。カメラと画像処理ユニット(VPU)を接続し、画像とセンサのデータを一元処理することで、最大6台の2D/3Dカメラヘッドを同期させ、車両周囲360°全方位の環境検出を実現します。
このハードウェア上で、専用に開発された「パレット検出システム(PDS)」のソフトウェアを実行し、配置位置に依存することなく、標準タイプのパレット全般を高精度に認識します。高性能な画像処理ユニットと、外乱光に強く高フレームレート対応の最新ToFカメラを組み合わせることで、照明条件や走行中に変化する周囲環境下でも、安定した動的物体検出が可能になります。標準化されたDockerアーキテクチャを採用し、Python、C++、CUDA、ROSなどの一般的な開発環境に対応することで、既存のAGVのコントローラにシステムを柔軟に統合できます。O3Rカメラプラットフォームは、高い精度と信頼性によりパレットへの自律的な接近・位置補正・ピックアップを支援し、効率的で安全なパレット検出を実現し、倉庫物流における自動化の推進とプロセス効率の向上に貢献します。
メリット:柔軟性を高め、ダウンタイムを削減し、高稼動率を実現
パレット物流へカメラベースの技術を導入することで、従来の固定的な運用ルールに依存しない、状況に応じて柔軟に対応できる、堅牢なプロセスへと転換できます。最大の特長はその高い柔軟性にあり、パレットを決められた位置に正確に配置する必要がありません。人とAGV/AMRが混在する作業エリアでも、手戻り作業を削減し、サイクルタイムを短縮します。その結果、障害物による停止や人的介入が減少し、安全性を維持しながら処理速度と処理量の向上が可能になります。このソリューションは、プロセス面の改善に加え、実用面でも短時間で容易に導入できる点が優れています。このため、複数の車両や拠点へのスムーズな展開が可能です。
さらに、Kollmorgenのプラットフォームの高いオープン性も、大きなメリットをもたらします。「ifmとの協業により、あらゆる機能をプラットフォームへ統合できる、当社ソリューションの適応力と拡張性の高さが実証されました」と、Kollmorgen AMSのパートナーチャネルコーディネーターのPer Hansson氏は言います。これにより、ユーザー主導で車両構成の拡張と新機能の段階的な追加にも柔軟に対応できます。「最も重要なのは、効率と信頼性です。システムを長期間にわたって安心して運用できることが不可欠です。それこそが、当社が提供する品質です。私たちは、これまでに培ってきた豊富な経験を、製品として具現化しています。これによりお客さまの課題を解決できることを、誇りに思います」と、Per Hansson氏は言います。スマートセンサ技術と車両分野の専門知識の融合により、日常の倉庫物流業務において、実感できる付加価値を提供します。
写真1:画像処理の中核を担う、PDS(パレット検出システム)アプリケーションを実行するifmの画像処理ユニット(VPU)。
写真2:3Dカメラの点群データ(右画面)をもとに、アルゴリズムが最適な走行軌道(左画面)を計算します。