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ベンツィンガー - 精密加工機のデジタル化

インダストリー4.0
IIoTプラットフォームmoneo
バスシステム
IO-Link
効率化
エネルギー 材質
アプリケーションレポート

微細加工の要求精度の実現

ベンジンガーを支えるifmのシームレスなデジタル化ソリューション

ベンジンガー(Carl Benzinger GmbH)は、創業から100年以上の歴史を持つ、ドイツを代表するCNC旋盤・フライスの超微細加工機のメーカーです。約170人の従業員が働くプフォルツハイムの中小企業で、高い加工精度が求められる航空宇宙部品・油圧装置・工作機械・宝飾などの産業分野に展開しています。高度に内製化されたモジュール式機械を総合的な視点で提供し、高い評判を築いています。

「私たちは、機械そのものだけではなくソリューション全体を考えています」 と、同社の旋盤加工専門技術者の Steffen Krämer氏は言います。「私たちの目標は、常にお客様に最高のソリューションを提供することです」これを実現するために、プフォルツハイムの自社で非常に高レベルな社内生産を行っています。機械本体から電気部品にいたる組立・品質保証・加工まで、ベンジンガーではすべてを内製化しています。

長年培われた精度と耐久性

モジュール式の精密加工機械にも、この総合的なアプローチが反映されています。豊富なモデルを取り揃え、顧客の要望や用途に応じたカスタマイズに柔軟に対応しています。ブローチユニットや回転テーブル、ホーニング盤など微細な穴加工を行う各部品を、各ソリューションに合わせて正しく組立てます。標準・カスタマイズの製品仕様を問わず、常に最高の精度を追求します。

「基本的にマイクロメートル単位の精度が要求されます」と、Krämer氏は説明します。「当社の機械は、最高の精度を備え丈夫で耐久性のある設計要求に応えます」

IO-Link:産業分野で普及が進む通信規格

精度と品質を追求するベンジンガーでは、デジタル・サービスとプロセス監視にも注力しています。これに関し、同社はセンサを使ったifmのIO-Linkソリューションを信頼しています。IO-Linkは、センサやアクチュエータを接続してデジタルデータの双方向通信が簡単にできるオープン通信規格で、ifmをはじめオートメーション専門企業によって開発され、産業分野で普及が進んでいます。

2009年に最初の仕様が公開されて以来、ポイント・ツー・ポイントのインフラは拡大し、ノード数は5,000万以上に増加しています。
IO-Linkは、ベンジンガーとその顧客に多彩なメリットをもたらします。

「IO-Linkは、従来の接続方式の機械的・電気的な設計で不可能だったさまざまな機能を実現します。分散型のデータインフラにより、システム全体の設計をコンパクト化し、複雑な配線の削減などが可能になります」と、Krämer氏は言います。

センサのデータは、フィールドバス通信対応IO-Linkマスタで効率的に収集されます。センサとIO-Linkマスタ間は、標準M12コネクタを使って接続するため配線を間違えません。IO-Linkマスタは、収集したデータをフィールドバス通信やイーサネット通信により、PLCとITレベルに同時に伝送します。これにより、機械制御と診断を行うITレベルの両方で簡単にデータを利用できます。このため、センサのデータをプロセス制御だけでなく、情報としてプロセスの分析や計画的なメンテナンスに活用することが可能です。ベンジンガーでは、これらの機能を機械の主軸の監視などに利用しています。

「当社では、社内で主軸を製造しています。機械に振動センサを設置して、主軸の劣化と状態に関する有用な情報を現場から直接収集できます」こうして得られた知見を、重要部品の開発にさらに役立てることができます。

moneo cloudのダッシュボード上で、冷却液の液量やメンテナンスの必要性を一目で確認できます。

Steffen Krämer氏 Carl Benzinger GmbH(ベンジンガー) 旋盤加工専門技術者

お客様の概要

ベンジンガーは、ドイツを代表するCNC旋盤・フライス盤の超微細加工機メーカーです。

moneo cloudのダッシュボード上で、冷却液の液量やメンテナンスの必要性を一目で確認できます。

Steffen Krämer氏 Carl Benzinger GmbH(ベンジンガー) 旋盤加工専門技術者

お客様の概要

ベンジンガーは、ドイツを代表するCNC旋盤・フライス盤の超微細加工機メーカーです。

機械の稼働効率と健全性を監視

また、正確な知見を常に獲得するため、センサのデータを活用した状態監視にも力を入れています。「当社の機械は、高い稼働率によりお客さまに信頼されています」と、Krämer氏は言います。旋盤とフライス盤のメンテナンスの必要性を確実に把握するため、機械の健全性を幅広いデータにより常時追跡します。例えば、連続的な振動解析によりアンバランスの兆候を直ちに検出して、機械の損傷や部品の劣化を未然に防止します。流量センサを主軸に設置して冷却状態を監視します。IO-Linkにより、媒体温度を測定して伝送し、主軸の冷却効率を診断できます。二次冷却回路にはレベルセンサを設置し、冷却液の液量を測定してツールとワークの両方に最適な冷却状態を維持します。

「お客さまは、プロセスのエネルギー効率化をより重要視しています」と、Krämer氏は言います。そのために圧縮空気流量センサを使用して、プロセスへのエア供給量を正確に検出します。これにより、コンプレッサの稼働を効率化します」電力をkWとkWh単位で連続的に記録して、使用量と効率を分析します。消費電力の増加から、メンテナンスの必要性を把握することができます。

クラウドでデータ分析とリモートメンテナンスが可能な ifmのIIoTプラットフォームmoneo

機械の状態に関するさまざまな情報から、有益な知見を獲得できます。ifmのedgeGatewayとLTEルータに接続し、データを製造業の自動化に特化したIIoTプラットフォームmoneoにクラウド送信します。ベンジンガーでは、データ伝送の大部分をIO-Linkでネットワーク化しています。また、データインターフェースifm Agentを追加して機械の制御装置や電力メーターなどのデータソースとmoneoを接続し、機械やシステムのデータを一元的に収集・分析して貴重な知見を獲得することが可能です。クラウド型のmoneoは、複数の拠点間で運用することも可能です。ポンプ・モータ・主軸・ファンなどの振動の状態監視を手軽に実施でき、ベアリングの損傷やアンバランスの故障を未然に防ぎます。温度・レベル・圧力・流量・電力消費量などのプロセス値も、moneoで一元的に追跡できます。設定したしきい値の範囲から外れた場合、システムが自動的にユーザーに警告を送ります。さらに、moneo IIoT-Insightsの拡張機能でAIによる高度なデータ分析も実行できます。remoteConnect機能により、moneoから機械をリモート操作することも可能です。

「moneo cloudのダッシュボード上で、冷却液の液量やメンテナンスの必要性を一目で確認できます」と、Krämer氏は言います。ベンジンガーの最終顧客には、連続データ分析による計画的なメンテナンスを実施する十分な人的リソースがないところもあります。「そのため多くのお客さまは、当社に機械へのリモートアクセスを許可してメンテナンスできるようにしています。これにより、moneoのremoteConnectから機械にアクセスし、お客さまと相談しながらプロセスの最適化や推奨メンテナンスを提案します」

制御データによる分析機能の向上

「ベンジンガー様の事例のように、ifm Agentにより機械の制御データをmoneoと連携させて機械の状態を完全に把握できます。これにより、状態監視の品質と共に、サービスを予防的に実行することで分析の品質も向上します。その結果、機械の稼働率とプロセス品質を高めることができます」と、ifmのプロダクトマネジメント副社長のChristoph Schneiderは言います。

制御盤内の自動化機器

IO-Linkマスタ(中央左)と振動センサの診断ユニット(右下)をedgeGateway(右上)に接続してクラウドにデータを送信します。

設備稼働率が表示されたモニタ

moneoのダッシュボードに機械のデータを見やすく表示し分析を行います。

結論

ベンジンガーでは、製造プロセスでデジタル化と自動化を連携させ、コストの節約と効率化を実現しています。最先端のセンサ技術とデータ分析により、異常兆候を早期に発見して大規模なダウンタイムの発生を未然に防止できます。これにより、機械の寿命を延ばすだけでなく、顧客の生産性と収益性も最大化されます。

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