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ユースケース:ハイジェニックレーダレベルセンサ

ワイン・フルーツブランデー製造の事例

ドイツのボーデン湖畔の街、クレスブロンにある Steinhauser は、1828年創業の長い歴史を持つ家族経営の蒸留所です。1996年に設備を刷新し、ヨーロッパ最新鋭の蒸留所を運営しています。2021年から導入されたifmのセンサとソフトウェアが、製造をサポートしています。その中の1つが非接触式レーダセンサLW2720で、蒸留酒とワインの製造に使われています。さまざまなフルーツを砕いて発酵させたマッシュが入っているタンク内のレベルを、このセンサを使って監視します。この蒸留所では様々な種類の果物を使い、ドイツの伝統的なウィリアムズ種の洋ナシの他、チェリー、ミラベル(黄スモモ)、プラム、リンゴのマッシュからブランデーを作ります。マッシュはタンク内で発酵させます。
蒸留所でレーダセンサを採用した理由は、いくつかあります。レーダセンサは非接触式のため、埋込型圧力センサの差圧式レベル測定と違い、測定セルに媒体が付着しません。これは重要なポイントで、センサに付着物があると正しく検出できず、測定結果に影響します。また、タンク内で発酵させるマッシュが静水圧になるため、同様に測定に影響します。さらに、センサのインテリジェントなアルゴリズムにより、充填プロセス中に動作している撹拌機をマスキングして影響を受けないようにできます。

飲料用ステンレスタンクのレベル監視

Meckatzer Löwenbräu Allgäuer Bierspezialitätenの醸造所の歴史は、今から280年以上前の1738年に遡り、初代のJoseff Fesslerがドイツ南部のAllgäu(アルゴイ)地方でビール醸造の許可を得て、Meckatzer(メッカッツァー)醸造所を創業した時に始まりました。それから何度も所有者は変わり、創業から115年後の1853年にLenaとGebhardのWeiß夫妻が同醸造所を買取って以来、高品質なAllgäu産ビール造りへの情熱をWeiß一家が代々受け継いできました。現在、この醸造工程をifmのセンサ技術が支えています。その1つであるLW2720レーダセンサは、ビール製造に使う脱気水のタンクのレベルを連続監視します。タンクの底は下に向かって狭くなる円錐形で、スプレーボールを備え、レベル測定が難しい構造です。しかし、レーダセンサであれば、タンク形状に関係なく常に正確な測定が可能になります。センサの特長は、直進性の高い80GHzミリ波レーダの送受信信号です。このため、スプレーボールによる洗浄中や洗浄後も、レーダ波の測定には影響しません。

タンク内の部品を自動マスキングし正確にレベルを検出

最大限に資源を活用するため、果実から果汁を取った搾りかすも利用するフルーツジュース製造メーカーもあります。搾汁した後のかすを、固形物回収用のバッファタンクに上から投入します。工程の最初にブリッジブレーカーで搾りかすを細かく粉砕します。スクリューコンベヤがバッファタンクの真下にあり、粉砕した搾りかすを次の工程へ運びます。バッファタンクは、搾りかすが一定レベルにならないとブリッジブレーカーが正常に作動しないため、注意が必要です。そこでレーダレベルセンサLW2720が使われます。常時作動する撹拌機等の部品がタンク内にあっても、レベルを正確に検出して果物の搾りかすの補充が適切に行われます。

CIPタンクの連続レベル監視

CIPプロセスの苛性溶液が入ったタンクは、時間が経つと苛性溶液が結晶化して固まり、タンクの内壁や内部の部品に付着するという問題があります。ある取引先では、音叉式レベルスイッチをいくつか導入していましたが、常に音叉がスイッチングし、正しい測定ができないことが問題になっていました。その点レーダセンサは、苛性溶液のタンクのレベルを安全・正確に監視でき、付着物の影響を受けません。

ハイジェニック用貯蔵タンクの監視

乳製品製造や飲料産業、液体食品加工業で使われる大型貯蔵タンクは、ハイジェニック用レベル測定の最も一般的なアプリケーションの1つです。ifmの取引先であるDeine Bio-Molkerei - Die Gläserne Molkereiは、ミュンヘホーフェ工場にある大型貯蔵タンクのレベル監視に、以前は圧力計を使用していました。現在は、非接触式のレーダセンサLW2720を使用してタンクを監視しています。撹拌機やミキサー、タンク洗浄用スプレーボールなどの部品があっても、センサの測定には影響しません。
試運転の日は、現場にミュンヘホーフェの製造マネージャーとプラントメーカーGEA TDSのプロジェクトマネージャーが訪れました。当日は雨でしたが、立ち上げに数時間かかると覚悟していたそうです。しかし、ifmの営業担当が簡単に説明し、タンクレベルの基準となる高さを設定しただけで、すぐに立ち上げ作業は終わりました。立ち会った全員が、LW2720には専門的な知識や複雑な立ち上げ作業が必要ないことを実感しました。

沈殿タンクでの使用

苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)は、食品産業で広く使用されている薬品で、ボトルのラベルや汚れの除去に使われています。苛性ソーダを再利用するために、沈殿タンクで適切な処理を行います。
しかし、静水圧となるタンクのレベルを測定する際に、固形物の汚れが干渉する場合があります。測定セルに汚れが付着し、レベルを正しく測定できないのです。超音波センサを使っても、蒸気や結露による誤検出が起こります。そこでifmが提供するソリューションは、レーダセンサLW2720を使った連続レベル監視です。

ベーカリー製造のアプリケーション

ifmの取引先に、レーダセンサLW2720を使って加圧タンクのレベル監視を行っているところがあります。クッキー製造の工程で、パーム油などの植物油が入った高さ9mの上部加圧タンクのレベルを監視します。このセンサのメリットは、温度や圧力に関係なく動作する点です。センサは、結露のある環境やほぼ透明な液体も問題なく検出します。このようなアプリケーションの場合、超音波センサや光電センサは結露と圧力の影響を受け、正確な測定が難しいです。