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H+H Engineering – 排ガス制御に対応する効果的なセンサ技術

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Monitoring and maintenance
機械性能 リモート監視
アプリケーションレポート

H+H Engineeringの排ガス処理装置を支えるifm製品

国際貿易の大部分は、海運に支えられています。世界では、10万隻以上の商船が運航し国際間取引の約90%が海上輸送で行われています。H+H Engineering & Service GmbH(H+H)は、より環境に配慮した革新的な技術ソリューションで現在と未来の海上輸送に貢献する企業です。

国際海事機関(IMO)によると、世界のCO2排出量の約3%を外航海運が占めています。このような現状は、変えなければなりません。IMOの温室効果ガス削減戦略では、2050年までに国際海運の排出量をネットゼロとする目標を掲げています。また、船舶から排出される窒素酸化物(NOx)にも関心が寄せられています。これについても、IMOは排出規制を実施しています。現在施行中の第3次規制(Tier III)では、排出規制海域(ECA)内を航行する船舶には、削減規制への適合が義務付けられています。

このECAは、北海・バルト海の他にアメリカやカナダ沿岸の海域などがすでに指定されています。2025年からは、ノルウェー海域がECAに指定されています。また、地中海・中米・日本・オーストラリアなどの海域に施行される可能性があります。しかし、この排出強化規制は、施行対象の指定日以降に起工された新造船が対象となり、ECA域内のみで適用されます。そのため、それ以前に建造された既存船には第3次規制が遡及適用されません。

船舶と自動車の排ガス処理技術:尿素SCRシステム

強化規制に従わなければ、船舶を運航できなくなります。海運会社は、国際貿易での競争力を維持しECA海域を航行するために、クリーン船舶への投資が必須です。H+Hは、ドイツのゾンネフェルトにある会社で、船体改造に替わる実用的な方法である選択的触媒還元(SCR)装置の開発・搭載を行っています。

「既存ディーゼル船の設計は、NOx規制に対応しない内部構造になっています。そのため、SCR装置を搭載してエンジンから放出される排ガスを後処理します」と、H+Hのプロジェクト・マネージャー兼マリンSCRセールスのArne Tädcke氏は言います。

「自動車と同様の技術により、尿素水を使って排ガスを後処理します。尿素水を排ガス中に噴射し、触媒上でNOxの加水分解によりアンモニアが生成され、選択的な還元反応により窒素分子と水に分解されます」

このプロセスで非常に重要な点は、噴射量の正確な制御です。「正確な尿素水の噴射量制御が必要です。私たちには、NOx強化規制への適合が求められます。また、アンモニアが大気中に放出されるため、噴射量の過剰排出は避けなければなりません。アンモニアはNOxと同様に環境有害物質になります」

「実際の運用では、ifmのセンサの信頼性と測定精度に、私たちは本当に満足しています。船舶の排ガス処理にはその両方が必要です。

Arne Tädcke氏 H+H プロジェクト・マネージャー兼マリンSCRセールス

お客様の概要

2007年創業のH+H Engineering & Service GmbH(H+H)は、SCRシステムの設計・コミッショニング・アフターサービスを世界中で展開しています。この技術分野で実績豊富な1社であり、100%ドイツ製の部品を1社から調達しています。

「実際の運用では、ifmのセンサの信頼性と測定精度に、私たちは本当に満足しています。船舶の排ガス処理にはその両方が必要です。

Arne Tädcke氏 H+H プロジェクト・マネージャー兼マリンSCRセールス

お客様の概要

2007年創業のH+H Engineering & Service GmbH(H+H)は、SCRシステムの設計・コミッショニング・アフターサービスを世界中で展開しています。この技術分野で実績豊富な1社であり、100%ドイツ製の部品を1社から調達しています。

高精度なセンサによる正確な噴射量制御

H+HのSCR装置には、自動化を得意とするifmのセンサが搭載され、噴射量を正確に制御します。「尿素水の正確な供給を継続的に確保するために、尿素水と圧縮空気の圧力と流量を測定して制御します」とTädcke氏は言います。「実際の運用では、ifmのセンサの信頼性と測定精度に、私たちは本当に満足しています。船舶の排ガス処理にはその両方が必要です。万が一、当社の装置が正常に作動しなかった場合、船は規制違反により罰金やECA内の運行停止などの罰則を科される恐れがあります。どのような罰則でも、海運会社に大きな経済的損失をもたらします」

洋上風力発電所の排出削減への貢献

信頼性の高いSCR装置のメリットがもたらされている船に、Norwind Hurricaneがあります。同船は、洋上風力発電所の建設作業を支援するCSOV(Commissioning Service Operating Vessel)と呼ばれるオフショア支援船で、北海上のオランダのエームスハーフェンと、東西フリジア諸島間にある洋上風力発電所を往復しています。つまり、Norwind HurricaneはECA海域の中枢に位置しています。2021年1月1日以降に建造された新造船がNOx第3次規制に適合するためには、SCR装置の搭載が1つの方法となります。このため、同船の所有船会社であるノルウェーのノルウィンド・オフショア(Norwind Offshore)は、この方法により現在まで5隻のオフショア支援船にH+Hの排ガス後処理装置を搭載し、排ガス削減を実現しています。また、それだけではなく、結果的にこの船隊はエネルギー転換にも間接的に貢献しています。

「5隻の船隊と現在建造中の3隻すべてがグリーン・プロジェクトに携わり、風力発電インフラの拡張と維持に貢献しています」と、Norwind Hurricaneの機関長のJon Carlos Farstad氏は言います。

「また、私たち船会社は、自社船による環境への影響を最小限に抑える努力をしなければなりません。これを実現するためには、高度なSCR装置を搭載してエンジン航行を可能な限り効率化することが必要です。高性能な電力制御装置による最適なディーゼル運転の航行効率化により、排ガスが大幅に削減されます」

船の煙突

NOx排出削減規制に適合するNorwind Hurricaneは、環境負荷を大幅に低減できECA海域内での航行が認められています。

SCR装置による社会的コストの削減効果

H+Hの執行役員であるJürgen Müller氏は、オンライン動画Impulse - the ifm showで、NOx排出削減がもたらす環境的・社会的な効果を説明しています。「EUと米国の最新研究では、1トンあたりのNOxの社会的コストは約1万ユーロになると言われています。なぜなら、NOxはそのまま自然消失しないからです。さまざまな形に変化して大気中に溶け込んだり、風によって外洋から大陸に運ばれたりして、人や動物の健康に影響を及ぼします。当社のSCR装置は、Nox排出量を90%以上削減することができます。Norwind Hurricaneのみで計算すると、航行時の年間平均排出量の社会的コストを約70万ユーロ削減できることになります」

結論

H+Hは、SCR装置により環境的・社会的負荷の大幅な軽減に貢献しています。ifmの高精度な信頼性の高いセンサが、これを支えています。

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