GH Induction – 高周波誘導加熱装置製造のデジタル化
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概要 GH Inductionは、ifmのIO-Linkソリューションを活用して高周波誘導加熱装置のデジタル化を推進しています。加熱コイルの自動段取り替えと焼入れ工程のデジタルプロセス監視により、最大80%の生産性向上と、安定した生産プロセスを実現しています。 |
高周波誘導加熱装置 × IO-Link による高効率化
高周波誘導加熱装置メーカーのIO-Linkとセンサ活用による製造業DX事例
GH Inductionグループは、スペイン・バレンシアに本社を置く工業用誘導加熱装置の有力メーカーです。65年以上の歴史を持ち、8か国に拠点を展開する同社は、自動車、鉄道輸送、航空宇宙、エネルギー、石油・ガスインフラなど幅広い分野向けに、高効率で精密な加工に対応するカスタマイズソリューションの開発を行っています。取扱製品は、熱処理や溶接、接着剤熱硬化まで多岐にわたります。
「当社の製品は、高い制御性と電源効率を求める工場に広く採用されています」と、GH Induction Groupの最高執行責任者(COO)のPedro Moratalla氏は言います。同社の強みは、ワークの精密加工に必要な高周波電源と加熱コイルをカスタマイズ製作できることです。これを実現するためには、顧客との緊密な連携が欠かせないと言います。「お客さまと緊密に連携し、ご要望に柔軟に対応できる点が、GH Inductionの大きな強みです。開発からアフターサービスまで一貫してサポートし、要件に応じて加熱コイルとシステムをカスタマイズ製作し、特殊なご要望にも対応します」
写真1:顧客ごとの要望に応じて加熱コイルを最適設計し、高効率な高周波誘導加熱装置を製作。
写真2:GH Inductionの強みであるカスタマイズ製作により、多様な産業分野に柔軟に対応。
デジタル化時代のカスタマイズソリューション
製造業における効率性・製造プロセスの可視化・持続可能性・プロセス制御性に対する要求が高まる中、GH Inductionは、高度なカスタマイズ性を備えたシステムを、より柔軟にデジタル環境と統合できるようにするという課題に直面していました。そのため、誘導加熱装置の設計をデジタル製造環境へ完全統合させることを重要目標としました。「産業界は急速に進化しています。当社システムのカスタマイズ性を維持しながら、よりスマートで効率と信頼性を高められるソリューションを探していました」と、Pedro Moratalla氏は言います。
ifmの自動化ソリューションとセンサがもたらすイノベーション
GH Inductionはこの課題を解決するため、自動化技術を専門とするifmと緊密に連携し、現在は同社のシステムに不可欠となっている、ifmの自動化ソリューションを導入しました。「ifmの非常に高い製品品質と、信頼できる技術サポートをいつでも提供してくれることから、採用を決めました」 と、GH Inductionの電気エンジニアリング・発電機コーディネーターの Juan José García氏は言います。「これにより、当社はお客さまの高い期待に確実に応えられ、より良いサービスを提供できます」
ifmのセンサによるプロセスの安定稼働
GH Inductionでは、製造プロセスのデジタル化と自動化のために、ifmのセンサをはじめとするさまざまな製品を導入しています。高周波誘導式近接センサと光電センサによりワーク高精度検出を行い、流量センサと導電率センサによって冷却回路を連続監視します。さらに、RFIDを用いて金属加工用の加熱コイルを識別し、マルチコードリーダでQRコードを読取って各加工部品の完全なトレーサビリティを確保しています。セーフティライトグリッドなどのセーフティソリューション製品も導入し、作業現場の労働安全を実現しています。
IO-Linkによりデジタルデータ通信を容易に実現
工場デジタル化に移行する節目となったのが、IO-Linkの導入でした。これは、ifmが設立当初から共同開発に参加したセンサ・アクチュエータ用のオープンな産業用デジタル通信技術で、製造業で長年にわたり普及しています。普及が進んだ理由は、センサをIO-Linkネットワークへ簡単に接続できる点にあります。標準ケーブルを使い、専門知識のない作業者でも機器を間違わずに接続でき、交換も簡単です。センサデータは、現場に設置されたフィールドバス通信対応のIO-Linkマスタに集約して一括伝送されるため、配線量を大幅に削減でき、コスト節約と工数短縮に貢献します。これにより、センサ・アクチュエータレベルから上位のコントローラとITレベルをシームレスにつなぐデジタル通信が実現します。
生産効率化と品質向上の実現
GH Inductionでは、IO-Linkベースの技術基盤の構築により、従来手動で行われ、ダウンタイムや不良の発生源となっていた誘導コイルの段取り替えも自動化されました。「IO-Linkの導入により、さまざまな工程で生産性を最大80%向上させるとともに、より安定した生産プロセスを実現できました」と、Juan José García氏は言います。さらに、IO-Linkは品質管理においても重要な役割を果たしています。GH Inductionが自社開発した焼入れ工程のプロセス監視システムは、ifmのセンサで収集する信頼性の高いデータが基盤となっています。
「IO-Linkにより、各センサから多様なデータを取得でき、製造プロセスの状態を詳細に把握できます」
IO-Linkセンサはプロセス値以外にも、温度・累積動作時間・動作状態などの診断情報も提供します。「監視が中断されると不良品が発生し、当社に対する信頼性の低下につながる可能性があります。そのため、プロセス全体とすべてのセンサの状態を常に把握できることが重要です。「センサ技術の堅牢性と信頼性を実感しており、当社にとってもお客さまにとっても、ifmは非常に重要です」と、Juan José García氏は強調します。
写真4:3軸振動センサVVB3シリーズでスピンドルの状態を常時監視し、設備の安定稼働を実現。
写真5:導電率センサLDL101と温度センサTAシリーズにより冷却回路の状態監視を行い、安定した品質管理とプロセス信頼性向上に貢献。
多くのメリットをもたらす生産性・プロセス信頼性の向上とデジタル化
新規システム設計においても柔軟性が向上し、GH Inductionは、ifmの製品とソリューションの多彩な機能とシステムとの連携性により、顧客ごとの要望にも迅速に対応しコスト効率を向上させています。「ifmとは、共通の目標を目指す強いパートナーシップのもとに協業を進めています。担当者の豊富な専門知識とifmのイノベーション力は、当社のデジタル化戦略の実現に大きく貢献しています」 と、 García氏は言いました。
写真3:IO-Linkマスタに集約されたセンサデータをPROFINET通信でコントローラとITへ伝送。