Arcusin S.A. - 牧草集草機の自動化
収穫作業の効率化
Arcusinの牧草集草機の性能を支えるifmの自動化技術
Arcusin S.A.は、堅牢な技術と革新的なソリューションを提供し続ける、創業から数十年の歴史を持つ先進的な農機メーカーです。スペインのファミリー企業である同社は、牧草を圧縮成形し運搬する高性能な牧草集草機(ベーラー)をはじめ、世界各地の過酷なフィールド条件に対応する農機を開発・製造しています。特に収穫最盛期には、これらの機械は長時間にわたり安定して稼動することが不可欠です。わずかな機会停止でも作業の停滞や大きな経済的な損失につながるため、高い信頼性が求められます。
信頼性と操作性の両立
Arcusinの製品は高い性能を追求しています。「当社の農機には、信頼性・堅牢性・安全性が不可欠です。農機は、土埃や振動にさらされ、極端な高温や低温といった過酷な環境で使われるからです」と、Arcusin S.A.のマーケティングディレクターのFerran Masamunt氏は説明します。Arcusinの農機は世界各地で使用され、収穫期には数か月にわたり連続稼動することもあります。また、人手不足の際に不慣れな作業者が操作する場合にも、誤操作を最小限に抑られえるよう、直感的な操作性が求められます。
「当社が目指すのは、収穫期に作業を中断させない安心して使える農機です」と、Masamunt氏は言います。高度な自動化による効率性と直感的な操作性が、Arcusinの最優先事項です。
ifmの自動化カスタマイズソリューション
Arcusinは、2014年からifmの自動化ソリューションを導入し、この厳しい要求に応えています。数点の部品の採用から始まり、この十年あまりで完全なシステムパートナーへと発展しました。「10年以上にわたって採用してきたifm製品の信頼性と堅牢性は、当社の要求を十分に満たしていると断言できます。この実績から、機械の自動化においてifmを全面的に信頼しています」と、Arcusin S.A.の最高技術責任者のPere Corral氏は語り、ハードウェアの高い耐久性と統合の容易さ、ifmの専門技術サポートにより差別化を図れると強調します。
現在Arcusinは、配線システムをはじめ、高周波誘導式近接センサ、圧力トランスミッタ、運転・監視用HMIユニットecomatDisplayシリーズやecomatPanel、I/Oモジュールなど、ifmのさまざまな製品を幅広く採用しています。制御関連製品でArcusinが特に重視するのは、長期的な入手性と互換性です。
「重要なのは、コントローラやI/Oモジュールなどの主要部品が標準化されたフォーマットに基づき、メーカーが継続的な開発を積極的にサポートできる体制です。当社の機械は長期間使われるため、部品のモデルチェンジ時に新旧互換性があり、交換可能なことが重要です」と、Corral氏は言います。
図1:高周波誘導式近接センサで各操作の停止位置を監視します。
図2:圧力トランスミッタでアクセルの上下を補助する油圧システムを監視します。
図3:ifmの堅牢なHMIとコントロールパネルは、運転席から全体の状況を見やすく表示し、直感的な操作を実現します。
ディスプレイとレーダー技術により安全性と利便性を向上
運転操作の要となるecomatDisplaysは、運転者の「指令センター」として機能します。機械全体の状態を見やすく表示し、稼動中も素早く設定を調整でき、リアルタイムでフィードバックを提供します。「ecomatDisplayにより機械の操作性が大幅に向上し、アフターサービスへの問い合わせ件数も減少しました。警告メッセージやガイド設定、ヘルプテキストなどさまざまな機能を内蔵しているため、現場で発生する多くの課題をその場で解決できるようになりました」と、Corral氏は語ります。さらに注目すべきは同社のトレーラー製品であるAutoStackに搭載されたifmのレーダーセンサです。圧縮した牧草を積み下ろす作業は特に難しく、従来は熟練の経験が必要でした。
「お客さまの多くは、AutoStackを運転できるような熟練の作業者の確保が難しくなっていると言います。そのため、牧草の積み下ろしを正確かつ安全に行うことが大きな課題となります。AutoStackの最新トレーラーでは、車体後部にレーダーセンサを搭載し、積み下ろし地点に接近する際に最適な距離を維持できるようにしました」と、Corral氏は説明します。この結果、作業が簡単で安全になり、ミスを防止でき、運転者と機械の双方にとって大きなメリットとなっています。
継続導入の実績と確かな信頼
Arcusinは、ifmのソリューションを長年にわたり高く評価しています。「特に満足しているのは、その製品性能です。当社の農機は世界中の過酷な環境で使用されるため、部品の堅牢性と信頼性は極めて重要です。10年以上にわたってifmソリューションを採用していますが、製品不良や重大な故障によるクレームは一件もありません。これは高い品質の証であり、当社がifmを信頼し続ける大きな理由です」と、Corral氏は語ります。
また、ifmとの緊密な協力関係は、開発プロジェクトにおいても大きな力を発揮しています。「ifmのサポートには非常に満足しています。当社の要望をすぐに理解し、技術的な質問にも的確に対応。常に最適なソリューションを提案してくれます」とCorral氏。「メーカーとして、当社はお客さま志向の企業理念を理解し、共有できる自動化パートナーを求めています。その良い一例がレーダープロジェクトです。ifmの専門担当者が現場に来て、アプリケーションに合わせて微調整を行ってくれました。こうした積極的なサポートにより、ifmが最適なパートナーであると確信しています」
レバーとifmのI/Oモジュールにより、機械を簡単かつ確実に操作できます。