TEC Container – 移動式陸上電源設備
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概要 TEC Containerが提供する陸上電源設備は、移動式ケーブルリール設備を使用して停泊中の船舶へ安全に電力を供給します。ifmは、高精度で信頼性高い自動化技術により、安全な港湾運用を支えています。 |
脱炭素化を導く陸上電源
移動式ケーブルリール設備による安全で効率的な陸上電源供給を支えるifmの自動化技術
港に停泊する船舶は、その間もエンジンを止めず発電を続け、各種電気設備や補機に電力を供給しています。停泊中の船内発電によって発生する排出ガスや騒音は、特に港湾近郊の人口密集地域で問題となるだけでなく、発電機の稼働コストも増大します。陸上電源化は、このような課題を解決するソリューションです。陸上の電源設備と船舶を接続して直接電力を供給することで、船内の発電機を停止できます。
陸上電源設備から船へ安全に電力を供給するためには、接続するケーブル設備に高い性能が求められます。TEC Containerはこの分野を専門とし、世界各地の港湾向けに移動式の陸電用ケーブル管理設備を開発しています。
荷役機器から港湾ソリューションまで提供
TEC Containerは、スペイン・マドリードを本社とし、50年以上にわたり事業を展開しています。1976年の創業以来、港湾物流や風力発電向け荷役機器を開発・製造し、世界115カ国以上で採用されています。
「当社は約5年前、祖業の荷役機器事業から新たな分野に進出しました。それが、陸電用ケーブルリールシステムです。これは、港にある陸上電源設備と船舶を接続し、船内へ電力を安全に供給できるソリューションです」と、TEC Containerの営業部長Javier Pérezは説明します。
このシステムは、ケーブルリールを搭載した可動型の設備です。移動式プラットフォームを手動または自動で誘導し、岸壁を移動して電源ケーブルを必要な長さに伸長することが可能です。各地の港で異なる技術要求に対応するため、設置場所の要件に合わせてシステムを個別設計することが一般的です。
過酷な港湾環境下での現場課題
港湾設備機器には、厳しい要求があります。船舶や海のすぐ近くで、重量が大きく高電圧を扱う電源ケーブルを移動させる必要があります。「移動式プラットフォームは、岸壁で作業する人の近くを走行するため、安全最優先で運用しなければなりません。電気接続も確実に行い、電源接続時や切断時の事故を防がなければなりません」と、TEC Containerの電気設計エンジニアAlejandro Caballero氏は強調します。
また、採用される技術は、海から吹く風に含まれる高い湿度や塩分、気温の変化に対する耐環境性と、継続的な振動に対する耐久性が求められます。
システムの要となるifmの自動化ソリューション
こうした港湾用途では、設備が大規模になります。一般的な電源ケーブルは簡単に手で接続できますが、港湾用途では人の腕位の直径がある電源ケーブルと、重量のある大型コネクタを取扱います。
Alejandro Caballero氏は、手順について次のように説明します。「自走式のプラットフォームは、ケーブルを伸ばしながら船体沿いに岸壁を走行します。船の電源接続部付近に到達すると、伸縮アームで誘導してケーブルを船に接続します。船のエンジンを停止して電力を供給できるため、港湾周辺地域の排出ガス削減と騒音の抑制に貢献します」
同社は一連の接続作業を円滑に行うため、自動化を専門とするifmの製品を採用しています。移動式ケーブルリール設備の要となるのは、複数のifmの高性能コントローラです。プログラマブルコントローラCR0403とCR0709は、走行・伸縮アームの操作・ケーブルの誘導など、機械のすべての動作を連携させます。これらのコントローラは各種センサの信号をリアルタイムで処理し、すべてのサブシステムを高精度かつ確実に連携させます。
セーフティリレー G1501Sにより、機能安全が確保されます。接続したセンサを監視し、常に安全関連機能を確実に作動させます。ifmのスイッチング電源 DN4234は、各機器へ安定した電圧供給を行います。
I/Oモジュール CR2042は、センサ・アクチュエータとコントローラ間の分散型インターフェースとして入出力信号を集約し、CANバス通信でコントローラへ伝送します。「フィールドバスを利用した分散型システムの採用により、電装・配線作業を大幅に効率化できました。従来の配線方式と比べて、必要なケーブル量が大幅に削減され、配線ミスのリスクも低減できます」と、Javier Pérez氏は言います。
安全な操作に必要なプロセスデータを、ifmの各種センサを使って取得します。アブソリュート式マルチターンエンコーダ RM9000は、車輪の操舵角を検出します。セーフティエンコーダ RM900Sは、ケーブルリールの位置を連続監視し、ケーブルシステムの誤動作や過負荷の防止に貢献します。圧力センサPT54シリーズは、継続的に油圧を測定し、油圧機能をスムーズに制御するためのデータを伝送します。レベルセンサ LT3022は、機械の作動に不可欠なクーラントなどの液面レベルを監視し、動作不良の早期検出を可能にします。
そして、グラフィックディスプレイ CR1204は、オペレーターと機械をつなぐ中心的なインターフェースとして機能します。直感的なユーザーインターフェースにより、オペレーターは移動式ケーブルリール設備のすべての機能を操作し、関連する運転データをリアルタイムで監視できます。さらに、診断情報やエラーメッセージをすばやく確認・判断できます。Alejandro Caballero氏は、次の点が最も重要であると言います。「機械は、誰でも迷わず直感的に操作できることが重要です。オペレーターや保守チームが機械の状態に関する必要な情報をすぐに確認でき、潜在的な故障も容易に特定できる必要があります」
すべての機器がシームレスに連携することで、海事・港湾分野の過酷な使用環境に対応し、信頼性が高く保守しやすい自動化ソリューションを実現します。
「製品品質に加え、ifmの技術サポートを特に高く評価しています。システムアーキテクチャの設計から実装まで、プロセス全体を通じて支援を受けました。私たちにとってifmは、単に製品を供給するサプライヤーではなく、専門的な技術で支えてくれるパートナーです」と、Javier Pérez氏は言います。
写真2:高信頼動作を支えるifmのコントローラとセーフティリレー。
写真3:I/Oモジュールは、分散設置されたセンサやアクチュエータのデータを収集し、機械の制御システムに接続します。
写真1:伸縮アームで陸上電源のケーブルを船へ安全に誘導します。
まとめ
TEC Containerが提供する移動式ケーブルリール設備は、陸上電源化に欠かせないインフラです。移動式陸上電源設備で船舶へ確実に電力を供給することで、停泊中に発生する排出ガスと騒音の大幅な低減に貢献します。
ifmの自動化ソリューションは、このシステムの安全で信頼性の高い動作を支える技術基盤です。海事・港湾産業の過酷な使用環境でも、正確な動作と直感的な操作を可能にし、設備の信頼性を支えます。